研究開発と知的財産

東芝グループは、人々の安心・安全・快適な社会の実現をめざし、市場やお客様の声に常に耳を傾け、グループの持つ幅広い技術を多方面に活用することで相乗効果を発揮させ、新たな顧客価値を創出します。また、グローバルな知的財産戦略により、研究開発の成果を最大限活用していきます。

中長期目標

性能・機能・品質の優れた製品の提供に加えて、それら製品を通じた顧客との接点を活かしたソリューションにより新たな価値を創造し、社会に貢献する。

2018年度の成果

  • 社外とのオープンイノベーションを加速
    • 高温超電導を用いた粒子加速器用電磁石
    • スマートファクトリー分野でIoTとイメージング技術を融合し生産性向上を支援
      • ロボットプラットフォームの開発
      • 人工知能技術の研究開発強化
  • 世界知的所有権機関(WIPO)によるAI関連技術特許で世界3位にランクイン(国内で第1位)

今後の課題と取り組み

人々の暮らしと社会を支える社会インフラ、エネルギー、電子デバイス、ICTソリューションの4事業領域を中心に革新技術を創出し、社会が直面するさまざまな課題をソリューションやサービスの融合で解決するための研究開発を、グローバルに展開していきます。また、世界有数のサイバー・フィジカル・システム(CPS)テクノロジー企業をめざし、サイバーの世界のデータだけではなく、現実世界のさまざまなモノから出てくるフィジカルなデータを合わせることによって、社外との連携を引き続き強化し、より高い価値を短期間で社会に提供します。

2018年度以降にいただいた社外からの評価

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研究開発

研究開発の方針

人口増加にともなう資源・エネルギー問題や気候変動、環境問題など、私たちが取り組むべき社会課題は多岐にわたり、複雑化しています。東芝グループは、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ストレージ&デバイスソリューション、インダストリアルICTソリューション領域を中心に、SDGs達成への貢献を視野に研究開発のテーマなどを選択したうえで、人々の暮らしと社会を支える事業領域に注力し、確かな技術で、豊かな価値を創造していきます。
エネルギーシステムソリューションでは、従来エネルギーのさらなる安全・安定供給と効率のよい活用を進めます。また、再生可能エネルギーや水素などのクリーンエネルギーを「創る、送る、貯める」技術とサービスを提供することで、低炭素社会の実現に貢献していきます。インフラシステムソリューションでは、公共インフラ、ビル・設備、鉄道・産業システムなど、社会と産業を支える幅広いお客様に信頼性の高い技術とサービスを提供し、安全・安心で信頼できる社会の実現をめざします。ストレージ&デバイスソリューションでは、ビッグデータ社会のインフラづくりをめざし、データセンター向けなどのストレージ領域、産業・車載領域などに向け、新しい半導体製品の先端開発を進めます。インダストリアルICTソリューションでは、産業ノウハウを持つ強みを活かしたIoT/AIを活用したデジタルサービスをお客様と共創していきます。

研究開発体制

シーズ・コンセプトを起点とした技術主導と、商品企画・ビジネスモデル主導の両面から、目的に合わせて最適な研究開発拠点で研究開発を行っています。中長期的な基礎研究に取り組むコーポレート研究所、中期的な要素技術開発を行うグループ会社の研究開発部門、製品・サービスを実現する製品技術を担う主要グループ会社技術部門に研究・開発の拠点を分け、技術課題の解決に向けて最適な研究開発体制を構築しています。

研究開発体制

研究開発体制

国内外の主要拠点

国内外の主要拠点

研究開発拠点をアメリカ、欧州、中国、インド、ベトナムなどに展開し、東芝グループ国内外技術開発拠点が相互に連携し、グローバルで最先端の研究開発を幅広く行っています。国際的な競争力を高めるために、研究・開発においても市場変化への即応力を高めており、特に市場が拡大する中国・アジアでは、製造拠点だけでなく、エンジニアリング拠点や開発拠点の現地展開を図っています。今後は新興国における研究開発が起点となり、先進国を含めたグローバルな市場に受け入れられる製品を生み出していきます。

研究開発費
2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
3,609億円 2,955億円 1,787億円 1,675億円
  • ※ メモリ事業分野に係るものを除く。メモリ事業分野を含めた研究開発費は2,978億円

東芝グループの売上高に対する研究開発費率は、約6%で推移しています。

研究開発費内訳

研究開発費内訳

社外との連携によるオープンイノベーション

高温超伝導を用いた粒子加速器用電磁石の機能実証に成功(2018年12月)

京都大学、東芝エネルギーシステムズ(株)、高エネルギー加速器研究機構、量子科学技術研究開発機構の共同研究グループは、資源の枯渇が心配される液体ヘリウムを使わずに冷却できる加速器応用に向けた高温超伝導電磁石を開発し、実証実験を重粒子線がん治療装置(HIMAC)にて行いました。結果、2.4テスラという高い磁界によるがん治療用炭素イオンビームの誘導と、安定動作を実証しました。さらに、磁界を繰り返し速く変化させても電磁石の安定運転が可能であることを確認しました。

高温超伝導を用いた粒子加速器用電磁石の機能実証に成功

図1 高温超伝導電磁石の外観

図1 高温超伝導電磁石の外観

図2 高温超伝導電磁石内のコイル配置

図2 高温超伝導電磁石内のコイル配置

図3 超小型重粒子線がん治療装置(回転ガントリー)量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所提供

図3 超小型重粒子線がん治療装置(回転ガントリー)
量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所提供

東芝デジタルソリューションズとキヤノンがスマートファクトリー分野で協業を開始(2018年11月)

東芝デジタルソリューションズ(株)と、キヤノン株式会社は、両社のIoTとイメージング技術を活用し、スマートファクトリーの分野で協業を開始しました。東芝デジタルソリューションズの「Meisterシリーズ™」に、「Vision Edition」や「Monitoring Edition」を連携します。「Meisterシリーズ™」で収集したIoTデータに、「Vision Edition」の画像処理で得た映像情報や「Monitoring Edition」で得た録画映像をひも付けて蓄積することで、「Meisterシリーズ™」を通じて生産現場の稼働状況をより精緻かつ効率的に把握することが可能となります。これにより、生産現場において高度な現場分析が可能となり、品質や生産性の向上に寄与します。

  • ※ スマートファクトリー:工場にIoTを導入し、各種データの収集・分析などを通じて生産性や品質の向上などを実現する先進的な工場

東芝デジタルソリューションズとキヤノンがスマートファクトリー分野で協業を開始

協業のイメージ

協業のイメージ

未活用領域へのロボット導入をめざしたロボットプラットフォームの開発(2018年10月)

東芝は、ロボットのハードウエアを機能ごとにユニット化し、ソフトウエアをプラットフォーム化したロボットプラットフォームの開発を進め、未活用領域への短納期・低コストのロボット開発を可能にしています。当社で開発した、任意の方向への並進・旋回動作と高精度位置停止が可能な走行ユニットと、無線で吸着On/Offが切り換えられ約550gを吸着できる吸着ユニットに、名城大学理工学部電気電子工学科田崎豪研究室のマーカーを用いてサンドイッチを認識する技術を組み合わせ、店舗での商品陳列作業を行うロボットを試作しました。そして、World Robot Summit 2018の国際ロボット競技会にチームU.T.T.(東芝と名城大田崎研究室の合同チーム)として出場し、サービスカテゴリーフューチャーコンビニエンスストアチャレンジ(以下、FCSC)の中の「陳列・廃棄タスク」において1位を獲得しました。FCSCとしても総合優勝し、経済産業大臣賞を受賞しました。

  • ※ 本技術開発と並行して、汎用自律走行ロボットプラットフォームは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト」にて開発をしており、このロボットにも採用されています。

World Robot Summit 2018 サービスカテゴリーフューチャーコンビニエンスストアチャレンジ 総合優勝・経産大臣賞受賞

商品陳列作業を行うロボット

商品陳列作業を行うロボット

図2 高温超伝導電磁石内のコイル配置

吸着ユニットによる商品の把握

人工知能技術の研究開発強化について(2018年7月、8月、10月、12月)

東芝が持つ「SATLYS™(サトリス)」を始めとした人工知能技術を活⽤したさまざまなプロジェクトにおいて、開発、実証実験などを行いました。当社グループは、世界知的所有権機関(WIPO)が2019年1月に発表した世界的に注目されるAI技術特許に関する報告書において、出願人別で世界3位(国内で第1位)となりました。これまで長年の研究蓄積である人工知能技術をさらに高めるとともに、あらゆる企業・団体との共創をすすめて業界横断の知識・ノウハウを取り⼊れることで、新しいライフスタイルやビジネスの創出に貢献します。

  • ※ 東芝アナリティクスAI 「SATLYS™」は、東芝の「ものづくり」の実績から得た知見をAIの設計に活かし、高精度な識別、予測、要因推定、異常検知、故障予兆検知、行動推定などを実現します。SATLYSを活用した検査データ解析、センサーデータ解析、業務データ解析、行動データ解析などのソリューションを通じて、お客様のデジタルトランスフォーメーションを加速します。

東芝デジタルソリューションズと順風路、AI技術を活用した乗合いオンデマンド交通の実証実験を開始

画像解析AIを用いて98.1%の精度で選手を自動識別(2019年1月時点で99.3%)

糖尿病などの生活習慣病リスクを予測するAIを共同開発

エッジデバイス上で高精度な認識処理を実現する深層ニューラルネットワークのコンパクト化技術を開発

特許庁からの機械翻訳システムの受注について

画像解析AIを用いて98.1%の精度で選手を自動識別

画像解析AIを用いて98.1%の精度で選手を自動識別

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知的財産

知的財産に関する方針と戦略

東芝グループでは、「知的財産権に関する法令を遵守すること」「会社の知的活動の成果を知的財産権によって保護し、積極的に活用すること」「第三者の知的財産権を尊重すること」を知的財産の基本方針として、「東芝グループ行動基準」で定めています。

また、「知財による事業への貢献(リターン)の拡大」を基本方針として、事業展開に寄与するような知的財産の強化および積極的な活用を図っています。今後は東芝Nextプランの実行にあたり、東芝グループが培ってきたフィジカルの強さを支える知財力の強化を継続するとともに、CPS(サイバー・フィジカル・システム)実現を支える知財力の強化に取り組み、「競争」と「共創」の両立を知財で支援していきます。

東芝グループ行動基準 12. 知的財産権の尊重

東芝グループの知的財産戦略

東芝グループの知的財産戦略

特許保有状況

特許保有状況(2018年度の国・地域ごとの割合)
特許保有状況(2018年度の事業領域ごとの割合)

知的財産にかかわる体制

知的財産部門の組織体制は、コーポレートの知的財産室と研究所・主要グループ会社の知的財産部門で構成されています。コーポレートの知的財産室は、知的財産に関する全社戦略・施策の立案・推進、契約・係争対応、特許情報管理、著作権などの知的財産権法対応を行っています。一方、研究所・主要グループ会社知的財産部門は、それぞれの事業をベースとする知的財産戦略を進め、優れた知的財産ポートフォリオの構築を図るべく、知的財産の強化に取り組んでいます。

知的財産推進体制

知的財産推進体制

模倣品対策

東芝ブランドは、東芝グループの企業価値や東芝グループが提供する商品、役務などの価値を象徴するものです。東芝製品の模倣品を放置することは、東芝のブランド価値や社会的信用を脅かすだけでなく、お客様が純正品と誤認して模倣品を購入し、期待通りの製品効能が得られない状況を生じるおそれがあります。そのため、模倣品排除に努めるとともに、国内外の模倣品対策団体とも連携し、現地の政府機関などに対し取締強化を積極的に働きかけています。

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